7月28日(火) 0時9分

テレビデオが満足に動くうちに、家にあるVHSを一度は全部見ておこうとふと思い立つ。


今我が家にあるテレビデオは、随分と前の引っ越しの時に実家から頂戴してきた一台。その後の諸々の顛末を考えると、あのタイミングで回収しておいて本当によかったと思う。ブックマンションに在籍していた頃は、二度か三度ほどお店に持ちこんでお店番をしていた。よくまあ正月の朝っぱらから電車でこんなもの運んだものだと思う。

VHSを新品で買うことはほとんどない。そも売っていること自体がない。と、思ったけれど、そういえば何年か前にとある書店で新品のVHSを買ったはずだと思って棚を探してみたら見つかった。Sadie Benningというクリエイターが監督をした「Flat is Beautiful」と「Judy Spots」。誰かは全く知らない。確かそのお店にジョナス・メカスの『Walden』のDVDがあったことを何となく覚えていて、久しぶりに来店して尋ねてみたらとっくに売れてしまっていて、仕方なしに何か買ってやると意気込んだ先に選んだ一本だったと記憶している。結局『Walden』は観たことないし、そのあとにVHSで買った『リトアニア 追憶の旅』はとても眠たかったし、Sadie Benningは開けずじまいで今に至る。


このところ、そういうお金の使い方をあまりしなくなった。

そういう、というのは、特に何も知らないけれど何となくの何となくで面白そうだから買ってまえ、という感じの浪費の感じ。

20代の頃は、そういうのばかりしていた気がする。中古のCD屋は宝の山だった(昔通っていたお店がもうすぐなくなるらしい)。アダルトショップの入り口にある申し訳程度の古本コーナーを見漁った(夜中までやってるので大変都合がよかった)。ヴィレヴァンに行けば必ず棚の上の方を見上げていた(何故なら店員が手に負えなくなったものは上の方に送られがちだから)。

最近全くしてない、かと言えばそういうわけでもなかった。先日熊本の橙書店さんに行ったとき、音源をひとつ買った。CDなどの媒体があるわけではなくダウンロードで、でも12cm四方のジャケットらしいブックレットがある。それをぱらりと読んでいるときに、ロレッタセコハンの名前が出てきて、なんか聞き覚えあるし悪い印象ではなかったはずだからこれを買おう、みたいな思考がぎゅんと走って、それを買った。実際まあまあ好きな感じでよかった。

とはいえ、昔よりそういう遊びからは遠くなったことは実感として大きい。

自分の衰えか、金銭的な問題か、向こう見ずな気持ちが霧散したか、遊び場が遠くなったのか。

ライブハウスにもしっかり行かなくなってしまった。最近それを振り返る機会があり、改めて考えると20代の頃はいつだってライブハウスが生活にあった。愛知から神奈川に越して、それが遠くなった。少し悲しい。


最寄りの駅は、住むにはとても便利がいい。

いくつかの路線が入ってきていて、買い物スポットも多い。飲食にも事欠かないし、本屋もある。

でも、少し自分が求める類の混沌が足りない。そこだけがどうしても惜しい。

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