『最高の三十代 ~Perfect SAN-JU-DAI~』寄稿者・作品紹介

『最高の三十代 ~Perfect SAN-JU-DAI~』という本を作りました。

詳細は↓から。

以下寄稿者の紹介と作品を掲載順にしていきます。


ぶんちん

表紙中央の絵にもなってる眼鏡のひと。「まにまに」の一味。先日発売した『生活の批評誌vol.5』にイラストも寄稿している。

『そんなことも忘れていたの ―2022年8月6日の日記―』

締め切り日直前に書かれた、ある日の出来事と照らされた煩悶の在りどころ。何も偽っていないはずなのに、感情にも行為にも噓臭さが浸漬している。筆をおくことも視野に入れたことも告解する日記が行きついた場所は、この一冊の冒頭を飾るに相応しいものだと思う。



斜田章大

劇団「廃墟文藝部」の作演出をしているひと。作家なので仕事が早い。修正もない。受領する側として最高のひと。

『三十路オブザデッド』

二十九歳を終えて三十歳を迎える夜に僕が想起する、亡き祖父と折り鶴の思い出。遊び人だった祖父には自身も把握していないほど多くの孫がいて、僕の事を孫としての順番で「八番」と呼んでいだ。過去と現在の静かな交差に未来を見る短編小説。



こんぶトマト文庫

私です。

『その血のさだめを袖にする為の』

裏話。当初はもっとちゃらんぽらんなことを書いておこうと思っていたのですが(ジモティーでもらったベッドで寝たら背中を痛めた話とか)、脳ミソの隘路に陥ってそういうのじゃないなと思い直して全部没にして出てきた結果が、"家族"を主題に沿えた怨嗟と憎悪と希望の煮凝りのようなものでした。後半部はイトイ圭さんの漫画『おとなのずかん改訂版』の話になります。



KANAMORIN

こんぶトマト文庫のロゴを作ったひと。「白線の内側」の一味。いつか神奈川か東京かのどこかでライブいけばなパフォーマンスやってくれないかと思っている。

『たゆたう』

写真と言葉の協奏。言葉を生業にしているわけではなく、むしろその不確実さに対して慎重な姿勢を持つ著者が紡いだ言葉には、とても実直で剛健なもので存外な心地よさがある。



舟橋孝裕

ベーシスト兼エフェクター蒐集家兼夫兼父親なひと。「白線の内側」の一味。子煩悩なグッドダディ。

『最高の30代殺人事件』

ある日俺は『俺』に呼ばれた。いわく「30代の『俺』たちで集おうじゃないか」。人里離れた別荘地へ呼び出された俺は、そこで各年齢の『俺』と出会う。主催の『俺』が「皆で存分に話し合って30代最高の瞬間を決めようじゃないか」と声高に宣言したその夜、ひとりの『俺』が殺された。サスペンスでもなくミステリーでもない、『俺』による『俺』のための『俺』の小説。



ぴよ丘すぐる

ホビー好きでコスプレもしているひと。絵を描いたりユーチューバーやったり、それにつけても超人気質。

『ダイホージョー!銀しゃりプリンセス』『キラメキウールドリーマー』

女児向けナンセンスえっちまんが2本立て。「ハッピーなものを作りたかったから」という理由一つで生まれた快作。放っておけば大気圏外まで勝手に飛んでいきそうなほどに推進力がある作品を、強靭なあとがき一つでがしっと地に足つかせているバランスが秀逸。



かしやましげみつ

こんぶトマト文庫と名付けたひと。演劇ユニット「孤独部」「あたらしいまち」主宰のほか、「白線の内側」の一味であり「まにまに」の一味。レンタカーで車中泊をしながら八重山諸島を巡るアクティブな旅好き。

『目覚めたら異邦』

ある日、目覚めたらそこは慣れ親しんだ町ではなかった。仕事を終え、自宅に帰り、部屋のベッドへ横になったはずだった。しかし、目覚めたそこは見知らぬボロいドミトリーだった。直感的に思った、ここはインドなのではないか。うだった頭で見る夢のような、どこかそっけない優しさと諦めにも似た希望を感じられる異邦譚。



瀬乃一郎

音楽をつくるひと。「白線の内側」の一味。先の「廃墟文藝部」の劇伴のほか、ソロ名義AMAREISなどでも楽曲を発表している。ZABADAKで盛り上がる。

『アンダーカレント』

真っ暗な寝室で、毎夜物思いに耽るわたし。なかなか寝付かせてくれない、心身の奥底に流れる音に耳を向ける。長い暗闇の果てに明滅する、きっとそれが夜明けであるものを抱きしめる。



吉村桜子

たまに絵をかくひと。活動不定期ゆるふわ演劇ユニット「まにまに」の一味として作演出もしている。

『みづいろの日』

ある日の夜の一幕、追懐と夢想のマーブル模様、その淡いを優しく湛えたままに日々を生きる、記録のような童話のような、まちの一景。



赤井千晴

怪奇紙芝居をしているひと。何を話し始めても怪談が始まる雰囲気が出る。

『「最高の三十代に至るまで」』

今、最高の三十代を迎えている。しかしそれに至るまでの幼少期、十代、二十代の人生は負が積もりゆく地獄だった。凄絶な半生を堂々と綴り切った自叙記。



コマダカズキ

ドラムを叩くひと。プログレッシブ暗黒青春パンクバンド「パイプカツトマミヰズ」の一味のほか、ヒップホップのソロユニット「チリアクタ」として活動中。多芸。

『書評 梨野飛礫『ヒラリーステップ』』

架空の作家、梨野飛礫の新作『ヒラリーステップ』の書評。過去の二作品から見えてくる梨野作品に通底したテーマを踏襲する傍らで、新たな「最高」に挑み続けることを称揚する新作を紹介する。



@yugapanda

自動生成される音楽を作っているひと。「まにまに」の一味。arthurが好き。

『メイキングオブ最高の三十代ジェネレーター』

今回のテーマは「最高の三十代」であって、それに則って書かれた他の人たちの文章は当然「最高の三十代」なわけであって、ならばその文章を用いて作られた音楽は当然「最高の三十代」に適っているわけだ。という理屈から生まれた、「最高の三十代」の音楽の作り方。



表紙や中の挿し絵を書いてくれたひともご紹介。


河合真維

イラストレーターをしているひと。「まにまに」の一味。羽海野チカが描くキリンのようなひと(本当に描いてるかどうかは知らない)。


以上です。

個々のパーソナリティを知っている人にはもちろんのこと、一切合切そうでない人にも楽しんでもらえる1冊になったと思います。


11月27日からBOOTHにて発売予定となります。税込み1000円+送料180円となりますが、直接ご購入希望という方がいましたらこんぶトマト文庫のツイッター・インスタ・メールどれからでも大丈夫ですのでご連絡ください。

こんぶトマト文庫のふみくら

本屋「こんぶトマト文庫」のホームページです

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