『最高の三十代 ~Perfect SAN-JU-DAI~』という本の話
友人たちとの共作で、本を作りました。
タイトルは
『最高の三十代 ~Perfect SAN-JU-DAI~』
です。
〇12名の寄稿者が " 最高の三十代 " をテーマに、小説・漫画・詩・エッセイなど自由に書き下ろしたアンソロジー
はじめに
ぶんちん 『そんなことも忘れていたの -8月6日の日記-』
斜田章大 『三十路オブザデッド』
こんぶトマト文庫 『その血のさだめを袖にする為の』
KANAMORIN 『たゆたう』
舟橋孝裕 『最高の30代殺人事件』
ぴよ丘すぐる 『ダイホージョー!銀しゃりプリンセス』『キラメキウールドリーマー』
かしやましげみつ 『目覚めたら異邦』
瀬乃一郎 『アンダーカレント』
吉村桜子 『みづいろの日』
赤井千晴 『「最高の三十代に至るまで」』
コマダカズキ 『書評 梨野飛礫『ヒラリーステップ』』
@yugapanda 『メイキングオブ最高の三十代ジェネレーター』
おわりに
A5判|縦書き|164頁
企画:最高の三十代制作委員会
発行:2022年11月27日
価格:1,000円(税込・送料別)
装画:河合真維
発売は直接お渡しのほか、BOOTHを介した通販を予定しています。現在のところこんぶトマト文庫店頭で取り扱いする予定はありません。
詳しくは下記特設ページより(11月20日現在ではまだBOOTH開設していないのでもう少々お待ちください)。
寄稿者の紹介はちょっと長くなるの別の記事にまとめました。なんかWikipediaみたいですね。
以下、本誌冒頭の序文を掲載します。
この本は「最高の三十代 〜Perfect SAN-JU‐DAI〜」をテーマに、音楽や演劇などを介して知り合った友人たちに寄稿を依頼し、各々から出てきたものをまとめた一冊になります。作品の形態は一切を問わず、またページ数も上限を定めた上で各々の裁量に委ねました。
その結果、小説・エッセイ・架空の書評・詩・漫画・自叙伝・日記・果ては音楽など、実に
多彩な作品が出揃いました。テーマを除いて一切の一貫性がなく、何とも雑誌的な一冊になりました。
最高の三十代、というテーマを掲げる。
一見お茶らけているこの行為に付随している感情や背景は、決して楽しいものばかりではありません。何故なら三十代を迎えるためには、まずおおよその場合ゼロ代と十代と二十代を乗り越える必要があり、そしてそれはエスカレーターに乗っていれば勝手に次階へ着く、といったような容易いものでは無かったからです。人それぞれの困難や辛苦がこれでもかとやってきて、それらをどうにかいなして躱して、時には心身がバラバラになりそうな気持ちを抱えながらもどうにか息をし続けて、そして辿り着けるのが三十代です。
それらを乗り越えた今は自分を取り巻く何もかもがバラ色に輝いて見える、と言うことは、残念ながら全く無いです。むしろ激しく変動し続ける世界だとか果てしなく退行し続ける社会だとかかつては感じなかった肉体の衰えだとか、その他諸々しんどいことが日々新たにコンニチワしてくるので、どちらかと言えば、連日連夜濁った灰色やくすんだカーキをぶちまけたような名状しがたい色味をした億劫さを抱えたまま、目の前にある生活をしています。そしてそれは三十代を経て以降もきっと続いていくのだろうと思います。
それでもなお、そうだからこそ、そんな日常を直視したその上で、私たちは今の自分が今ま
での自分の中で常に最高であるし、そしてそれは日々更新を続けるものである、そう在り続けたい。そう思っています。
こんな酔狂な企画に乗ってくださった皆さま、そしてその酔狂の結晶であるこの本を手に
取ってくださった皆さま、本当にありがとうございます。
文責 こんぶトマト文庫 九鬼将司
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