単独書店員の孤独

今自分が「こんぶトマト文庫」という屋号で活動している諸々は、言ってしまえば、趣味だ。

そこで生活の糧を得ているわけでもないし、ましてやこれを全て止めたからって誰かが猛烈に困ることはない。残念がってくれる人はきっといると信じている。信じてますよ。

活動資金も基本的に生活余剰資金から賄っているのが現状であり、金融機関からお金を借りてやってもいない。

販売する予定だった新刊古本などなどがどっちゃり残るけれど、それも倉庫借りなきゃ生活スペースが死んじゃうような量でもないし、なにせ本だから腐って困ることもなく、何ならどこかしらに無償で贈呈したら万事解決だ。


だからこそ、僕は僕が思うやりたいことを全力でやることが出来るし、同時にやりたくないことを妥協してやる必要は一切ない。

そこを侵害されること、不服とすることを無理強いされること、意に沿わない本を販売せざるを得ないこと、そういう事が起きるとするならば、僕は今の活動を続けていく理由が一切なくなってしまい、ならばいっそやめてしまうか!という方向に舵を切るにしくはない。

だって自分のための自分なのだから。そこを他人の都合に合わせてカッティングされてやる道理は何一つない。


普段のんべんだらりと生きている中で、僕はわりと人に迎合しやすい性質を持っている。

相手がこうしたい、と言っていることがあるのなら、そしてそれがあまりにもひどいものでないのなら、それでもいいよと折れることもしばしばある。

だってそれでも別段構わないから。そこで自分のエゴを持ってきて衝突してヤな雰囲気になっても、ヤじゃないですか。だったらまぁ多少の不服が伴ったとしても、そこで呑んでしまった方が楽でいい。


普段はそれでいい。

でもこれはそうじゃあないな、この営為はそれじゃあ全く良くないよなと改めて思った。

これは自分のエゴのための活動なのだから、容易く折れる必要は何一つない。

言ってしまえばどうでもいいところで折れたりしている分にはへらへらしてりゃあいいだろう。愛想振りまきゃ世は太平だろう。

でも自分のために行なっている活動の中で折れることは、自分の根幹を折ることと同義だ。

どうしてもそんな憂き目に遭ってしまうのであれば、いっそ本当に止めてしまった方がいい。そうでなくてはいけない。それこそが自分に対する誠実だ。

こんぶトマト文庫のふみくら

本屋「こんぶトマト文庫」のホームページです

0コメント

  • 1000 / 1000