後退国となり果てたこの国で
「移動し続ける本屋」を始めます。
概要はこちら
・夜20時以降営業開始
・場所は神奈川県内のどこか
・その日営業するかどうかはツイッターで告知
・DMなどで呼ばれたら指定された箇所までこちらが向かう
・そこで本を売る
・それまではひたすら原付で移動
・天気が悪いときはやらない
・疲れてるときもやらない
おおまかにこんな感じ。
今日仕事しているときに思いついて、早速今夜から動いてってみようと思います。
こんな酔狂なことを思いついたきっかけは、もう皆まで説明するのも嫌ンなりますが
緊急事態宣言やそれに伴う書店・古書店への休業要請、夜20時以降は根拠なく消灯するよう促されたり酒類の販売を止めるよう言ってきたりと根拠ない感染症対策、局所的な話題だけどメルカリ×ツタヤの転売はたまた万引を誘発したいんかと言わんばかりの度し難いポップなど、もうなんもかんもがうんざりだ。いい加減にしろ。
と、言ってただひたすらインターネットで憤って一人の家で、そう誰にも感染させることの心配がない生活を頑張って送っている一人の家で!えんえんシクシクしているのはもう嫌だ。BOOK PORT CAFEで場所を借りて本屋をしているけれど、それは上記の噴飯モノなあれやこれやとは関係ないところから始めたことだし、直にリンクさせるのはやや不健康な気がした。
ならば今、このどうしようもない局面を迎えた今、自分はどうしたらいいのだろうか。何をしたいのだろうか。
大きなうねりを期待しているわけじゃない、誰かに感謝されたいわけでもない、どうしようもない大人たちを懲らしめたい気持ちがないと言ったらウソになる、でもあんなわからんちん共を真正面から丁寧に相手してあげるほど人生暇じゃない。もっとワクワクしてぇのです。ただ心が震えることをしたいのです。
そんな沸騰して茹りっぱなしだった頭の中に不意に「そうだ、店閉めろって言われてんだったら店じゃないとこで本売りゃいーじゃない」ということだった。
歌舞伎町にはcohonさんという、ちょっとどころじゃなく相当に酔狂な人がいる。初めて存在を知り、そして歌舞伎町のまぁまぁ治安×なエリアまで行きあの”店”に行った時のあの衝撃たるや。こういう自由もあるのか!と思った。まあ違法なんだが。
しかし今僕が住んでいる辺りで全く同じようなことはそうそうできやしない。どこかしら路上で本もとい何かしら物品を売買する店を開くというのはなかなか危なっかしい。それにまるっと同じなのは率直に言って面白くない。というかcohonさんの場合は前情報としてそういう人がいることを知ってたからよかったけれど、それがない状態で街頭にポツンと佇んでいる人から本を買うだろうか。まあお客さんより先にポリスメンが現着するだろう。ならどうしたらいいか。
と、考えて。
どっか一所に留まっているのがよろしくないなら移動し続けたらいいじゃない。
となった。やったぜアントワネット!
幸い僕が普段乗っている商用バイク、カブそっくりなあんちくしょうには荷台があって、そこにガッツリ本を積めることは日ごろの活動で実証済みだ。そいつに跨って東へ西へ何処へ行くでもなく移動し続ける本屋。ツイッターでお呼びがかかったらそこへ直接赴いて、お客さんに本を売る。そしてまた何処かへ走り去る。
自分の中にストーンと落ちた。これをやろう。
ということで、早速今夜から動きます。
とりあえず東か西かに向けて適当に走り続けてるかーと考えてたのですが、早速1件ご連絡があったのでそちらに向かいます。びっくりした。
勿論本を売りに行くのですが、本を売ることが目的なのではありません。先にも申し上げたように、誰かのためにやっているわけではないんです、完全に自分のためのものです。自分が自分で在るための生活の営みです。その一片をどこかの誰かと共有して、そしてついでに本をお渡しすることが出来たら、それは望外の僥倖というものです。そしてこなれてきたらコーヒー淹れるのも併せてやっていきたい。これは前から言ってるけれど夜中だけやってるコーヒーと本の店はやりたいんだ。この1年の生活の中で、ああいう場がなくなったことがどれだけ自分にとってストレスか分かったから。そうこれもつまりは自分のためだ。
こんなどうしようもない有様になってしまったこの国で、これからもなんだかんだと生きていかなきゃならないのなら、他者への想像力がひとかけらもない無慈悲な事ばかり押し付けてくるこの国で生きていくために、私は私の我を通そうと思う。
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