選書日記 目録は楽しい

4月からBOOK PORT CAFEさんの一画をお借りして、本屋をすることになった。

この場合の本屋というのは一体何?という厳密性はいったん横に置いておくとして、ざっくりと言えば、ブックマンションやBREWBOOKSのように手持ちの古本やクラファンで割安で手に入れた本を置いて売るのではなくて、正規のルートで新刊を仕入れてそれを売ることを始めることになった、と言う話。

もちろんお店の一画をお借りしてやる規模のものだから、そこの稼ぎで生計を立てようって話じゃない。あくまで自分の生活の一環として、それやったら絶対楽しいじゃないの、という気持ちを原動力としてお話を受けた。最近の生活のモチベーションは「それが楽しいかどうか」というところにだいぶ重きを置いている。


で、新刊の選書をちまちまと進めている。

緊急事態宣言の延長も見越して4月頭からの予定にしてもらったので、それなりに日数はある。その間に進めておけることは可能な限り進めておきたい。

以前、現Title店主の辻山さんが「お店を始めるにあたって、各出版社の目録をつぶさにチェックして選書をした」という話をしていた覚えがある。昔働いていた本屋でも、新人のバイトにはまず主要出版社の文庫目録に慣れることを覚えさせていた。まず目録というものが当たり前にあることを知って、次に出版社ごとで引き方が違うことも覚える。当時既にインターネットは当たり前だったし取次店のポータルサイトもあったけれど、出版社やレーベルのあたりがついていれば目録を引いて作品を見つけた方が断然早かった。もちろん、ほとんど情報がわからないものやうろ覚えの情報を元手に探すとき、目録刊行後の書籍についての問い合わせならネットも活用しがいがあった。でもたまに間違った情報が出てくることもあるから本当に気をつけなきゃならない。

ということで、去年の「本屋すごいぜ!」のイベント用に持ってた文庫目録がいくつかあったので、まずはそれを使って行くことにした。

ちくま文庫の目録。表紙が安野光雅さんのもので、とてもいい感じ。
中身はだいたいこんな感じ。出版社ごとで「整理番号」の欄が独自のものだったり値段が違うところ載ってたりするけれど、文庫の目録は大体こういうレイアウトな気がする。

この目録って代物が、とても面白い。そもそもプロが索引を目的として編集しているものだから、スッと情報が入ってくる。そして読み進めていくうちに「えっこんな本あったのか!」とか「これ文庫化してたんだ!」というのがワラワラと出てくる。もう選書そっちのけでとても楽しい。

これをペラペラめくりながら気になったものを丸付けて角を折ってとしていってたのだけど…

お借りするスペースが幅80cmほどという事を考えると、ちょっと既にこれは多すぎる。まだ学芸文庫ノータッチなのに。しかもここ以外の文庫もあるし、なんなら文庫以外のものも当然置く予定なのに。

他の出版社さんのチェックが終わった後、もっかい見直して明らかに個人的趣味が迸ってチェックしたものとかを泣く泣く外していく作業が待っているのだろうな…難しいね、選書。スペースってものがあるから。

でもそれが無尽蔵にあったらいいかと言ったら、じゃあもうそれアマゾンじゃんってなるのは明らか過ぎるほどに明らかなので、きちっとそこは絞っていこうと思う。

こんぶトマト文庫のふみくら

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