6月20日(木)23時16分

自分の記憶力のあやふやさにほとほと嫌気が差している。


今日、とある漫画の実写映画を観に行った。たいそう好きな漫画で新刊が出るたびにすぐ書店へ走って買いに行ったし、都内の書店で行なわれていたくじ引きを引いて当たった複製原画は今も机の近くに飾っている。ちょうど主人公の顔がよく写っているシーンでとても気に入っている。裏には店員さんから転売防止に書いてくれと言われた苗字が綴られている。表を向けて飾る分には何も支障がない。


そんな漫画の実写映画を観て、随分と気分が混乱した。気分が混乱した、という表現が正しいのかは定かではないが、原作を蔑ろにされた点について憤り、そのことに落ち込み、また別の所について喚き、嘆き、でもあそこは良かったよねとなっている様は、確かに気分が混乱していた。

帰宅して、改めて当該の漫画を手に取って1巻から読んでみた。

少なくとも3カ所、全くの記憶違いをしていたくせにそれについてワンワンと吠えていたことが判明した。それも結構重要なところばかりで(そしてその他多数の箇所については特に記憶違いをしていなかった)(それくらい思うところのある映画であった)。


人間の記憶というものの雑さをつくづく思い知る。頭の中では完全に展開されていたものは紙面のどこにも載っていなかったし、そんな自分の記憶力に唖然とした。いちから、ではないにしろ、むしろ故に七面倒な作話をしていた。なんということでしょう。脳みそがつらい。


藪の中、を持ち出すまでもなく、覚えていることの不確かさをつくづく痛感する。そんなコマどこにもないのに丸ごと創作あるいは虚飾を施してしまう脳みそがが、いかに粗雑で且つ精巧なものかを思い知る。

なので記録は客観性あるもので残していくべきであるし、ましてや誰かと共有するものであるのなら尚更のこと。

ということで今日はこの恐ろしい恥の記録の一端をここにしたためることとする。

こんぶトマト文庫のふみくら

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