今週の書評で気になった本 12月第2週
12月9日(土)毎日新聞書評より
書名:未知なる地球 無知の歴史十八-十九世紀
著者:アラン・コルバン
訳者:築山和也
出版社:藤原書店
価格:2,970円(税込)
ISBN: 978-4-86578-397-1
二十一世紀の今でこそ、当たり前に、いつの間にか何となく、あっさりと「常識」として呑み込んでいる、地球に関する様々な事柄。例えば46億年という何かの年数とか。
ただそれは多方に渡る科学の進歩ゆえに、それまで不明瞭だった像が徐々に輪郭を顕してきて、その結果「今のところ恐らくは」こうであろう、という"知"が構築される。でもその前には、先人たちによる途方もない"無知"が存在していた。
無知を気さくに嗤うのはとても容易い、ではそうやって指さす自分は果たして無知ではないのか。書評の末尾にも引用された言葉、
「自発的で楽しい会話が人々のあいだで交わされるためには、知識と無知が広く共有されていることが不可欠」
という一節が心に沈む。
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