オープンレター署名削除について

まず前提として、私は件のオープンレターに書かれた主旨については引き続き賛同しています。

冷笑的文化、性差別的な言動、それらをない交ぜにして対象を嗤わねば気が済まないコミュニケーションの在り方はとても受容は出来ず、特に今なお続く北村さんに対する中傷は目に余るものばかりで、それは大げさに言うなら、すべての人が距離を取るべきものであり己の血肉にすべきではない風習であると思っています。

そういった理想を"キラキラなもの"といって揶揄されていることも拝見しましたが、理想を掲げそれを目指すこと自体は決して無下にされて良いものではない。そう思います。


その一方で、今回私は賛同人から名前を削除していただくよう要請、これを受理していただき名前が削除されました。

それは「オープンレターの運営」に対して懐疑的になったからです。


古谷経衡さんの名前を誰かが騙って署名をしていた事実が明らかになった時点で、それまで存在していた「1316人の賛同人」の正体が不確かなものとなってしまっており、本来であれば運営をする人たちが賛同者全員に対して可能な限り速やかに、署名の真偽を確認する。

とはいえそれには時間もマンパワーもかかることは十二分に予測できる話なので、そういった方策を打ちますという事を公に発する。可能であればいついつまでにという期日を設ける。

それについてもだし、そもそもの発端となった古谷さんに対して、(この場合ご本人がそれは偽だと明確にしているので)即刻削除と調査を行う旨を伝達するためにも、呼びかけ人もしくはその代理人などが中心となり運営側の窓口を設ける。


上記のような点が、発端となった古谷さんの騒動から2日ほど経過した時点で、少なくとも外部から見ていた限りでは全く疎かになっていたことが署名の削除を依頼するに至った理由です(2日としたのは、19日にはオープンレターのサイトに追記がなされていたからです)。

「たかがその程度で疑心を抱いて辞めてしまうのか」という声がどこからともなく聞こえてきそうですけれど、これを"たかが"と言ってしまうことは、他者を軽んじすぎていると思います。理念がどうこう以前の話です。私にはどうしても、これは"裏側の事情を知る人たち以外の他者"に対してとても不誠実な行為だろうと思い、看過することは出来なかったです。

何かを運営していく上で事務作業というものは程度と種類の差はあれ必ず発生します。そしてそれは表立って見える陽の部分が大きければ大きいほど、それに比して大きくなる陰の部分です。決して後回しにしていいものではなく、むしろ先んじて仕込んでおくに越したことはないものです。それが構築されていなかった、のみならず、その後も表面上は無体のまま今に至っています(実際には存在していて動いているのかもしれませんが私には今なお見えません)。それがとても残念です。


以上の経緯で、私はオープンレターから署名を削除しました。

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