サボれ人類

暑い。疑いようもないくらい夏が来た。

こうも暑いとお外に出ろと言われても出たくなどなく、出来れば空調のきいた部屋で一人ずっとこもっていたい。積んである諸々を千切っては投げ千切っては投げしてたい。夏が終わったら外に出てあげてもいい。仕方ないので。


と、ぼやいたところで

週5でお仕事に勤しむ身なので、そうも言ってられない。朝8時台には家を出て、一番暑い時間帯を外で過ごし、夕方日が沈んで活動しやすい気候になったころにようやく解放される。これ非効率では。もっと夜の時間帯に仕事したら暑さとかの対策も要らないのでは?与太で思いついたけれどいけるんじゃないか?と思ったけど、どうだろうか。サマータイムみたく時間ごとずらすとかみたいなトンチキなレベルでやらなくていいだろうし。


ともあれ、夏だ。あっつい夏だ。

日常的に外仕事を行なう部署のため、特にこの時期は各々で体調を管理することを口酸っぱく言われる。個別での仕事を行なうこともざらだからなおさら。あいつどっか行ったっきり戻ってこないしピッチにも出ないんだけど、なんてなろうものならゾッとする。まぁそのうち戻ってくるだろ、と放っておかれてた結果どこぞで干からびてた、なんてことにもなりかねない。社会人がどうのこうの以前の、シンプルに命を守るための行動を取らなくちゃいけない。

じゃあ命を守る行動とは、一体何か。

端的に言えば、サボる事である。

いつもだったら30分で終わってるような仕事でも、途中で5分か10分かくらい抜けて日陰の涼しいところで水分を摂ってボーっとする。腰掛けられそうなら腰掛けて休む。そして40分くらいかけて終わらせる。

そういう、ちょっとしたサボりを挟んだ方が結果的に最良の方法になると思う。ぶっ倒れるまではいかなくても、フラフラになってちょっとグロッキーなんてなっちゃうと10分どころじゃなくもっとしっかり休ませる必要が出てくる。しっかりとした場所で、風通しが良いところで、なるべく寝かせて、水分取らせて、首とか冷やして、万一のために誰か介抱して、云々。ぶっちゃけ相当に手間がかかるし心配もする。それなら、最初から堂々とサボることを前提として仕事を頼む/頼まれる方がよほどうまく回る。

仕事の最中にサボるなんて!という人は、あんまり管理者に向いてない。というかやってはならない。もちろん1時間もタバコやトイレから帰ってこないようなのは問題しかないけれど、こと体力を資本としたタイプの仕事をさせていて、更に気候や作業環境の影響をモロに受けるタイプのものなら、各々の裁量で適宜サボることを是認する必要がある。人間は過度に追い立てられたり、もしくは過剰に責任感を負って張り切っているときは、いともたやすく無理をするし、そして状況によってはそれがそのまま命の危険に結びつく場合もある。だから、個々の判断で休みが必要な時は休ませる、もしくは合理的なタイミングで一律に休みを取らせる、そういう方策が必要。現場仕事はたいてい後者の仕組みが一般化しているし、同時に夏場は前者も併用している。ガテン系でオラついた人が多い業界だけど、その辺はキチッとしとかないと危なっかしいことは肌身で知っている。だから休みは挟む。しっかりサボる。サボるのも技術のひとつ。

(少なくとも僕の体験した範囲なのでもっとヤバい現場もきっとあると思うけれどそれはもう逃げて全力で)


来週からのオリンピック、未だにやると言っている。

そしてボランティアの方々も、多数辞退したとはいえまだまだたくさんの人が参加する様子。

正直なところ、今のこの社会情勢の只中で強行的に開催されるオリンピックに賛同することは一切出来ない。そしてボランティアに参加するという意思にも全く理解を寄せることは出来ない。

そういった諸々を知った上で、それでもボランティアをやらねばならないんだ、と思っているのなら、もう止めようがない(IOCや内閣など運営側の皆様におかれましては「やらねばならないんだ」なんて言ってもうるせぇ早くやめろ)。ただ、多分今大会では開催側に十全な医療サポートを当てにすることは出来ないだろうから、ヤバいと思う前に、手遅れになる前にしっかりサボってほしい。最近大嫌いになった言葉である「自助」そのものの発想で自分で嫌気がさす。でもそこでサボりでもしないと、無為無策な悪政でまた人が死ぬ。というかマスクつけたまま炎天下で作業し続けるのは、比喩でなくそれだけで本当に死んでしまいかねない。どうぞ皆様、いのちをだいじに。

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